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修理を受ける

使っていた時計を落とした・動かなくなった、といった『使っている時計』の修理。

アンティーク時計を手に入れたのはいいけれど、最初から動いていない・動作保証の無いオークションやお店からの購入・蚤の市などから手に入れた時計で『問題がある時計の修理』など、時計の修理と一口に言っても、その症状や修理内容は様々です。

せっかく手に入れた珍しい時計も、動かないのでは宝の持ち腐れ。なんとか直して動かしてあげたいものです。

 

修理店のホームページを見てみると、「修理を断られた時計でもお持ち込みください」とあるのを良く見かけます。

料金はどのくらい?実際に修理を断られる場合はあるのでしょうか?

アンティーク時計について、修理が必要な症状・修理できない時計・修理を断られる時計について簡単にみていきますので、修理店選びの参考にしてください。

※ここに書いていることはあくまで例で、できること・料金などはお店によって違います。あくまで参考程度に留めてください。 

 

 


■ 時計の修理店探し


一般的な時計を修理してくれるお店はたくさんありますし、新しい時計ならメーカーに送れば確実に修理されて戻ってきます。

ただしアンティーク時計の場合は別。作られてからかなりの年月が過ぎているため、今ではメーカーすら存在しない・部品が無い・時計にもクセがあることが普通です。

そんな時計たちを上手に修理するには、修理する人の経験や勘が物を言う、修理店のネットワークが修理のできる種類や範囲を決めてしまいます。

 

良い修理店を探すには、近くの時計店やインターネットで探した時計店などに、いくつか尋ねてみると良いでしょう。

メールが送れるようなら、写真付きで症状やメーカー・年代などもわかれば詳しく説明してみてください。修理の可・不可、簡単な料金などを知らせてくれるはずです。(メールで尋ねる場合、基本的には確かな料金はわからない・あくまで仮の見積もりになります。時計店に届けてから正確な見積もりや料金が出ます。)

結構あっさりと断られてしまうこともありますが、時計店側としても「どうしても部品が手に入らない・その修理はウチではできない」など、断りたくて断っているのではないことも良くありますので、その辺りの事情は理解してあげてください。

 

【 修理店選びの基準 】

一番良いのは、アンティーク時計の修理経験がある・経験の豊富なお店。

アンティーク時計の修理では、新しい最近の時計よりも経験やより多くの手間が必要な場合が多く、そういった修理に慣れている職人やお店を探すのがお勧めです。

また修理店を選ぶ際の1つの基準として、修理に関する資格を持っていることはもちろんですが、修理後に保証期間が設けられているお店を選びましょう。

半年・1年間などちゃんと動作を保証してくれるお店であれば、不具合がでてもちゃんと再調整をしてもらえます。(アンティーク時計の場合は、何度か調整をしてもらう必要があることもあります。)

ホームページで修理・オーバーホールを受け付けているお店の一覧

 

 

 


■ 必ず見積もりを取る


実際にお店を尋ねる場合も、インターネットで遠くのお店に依頼する場合も、必ず仮で良いので見積もりを取りましょう。また、そのときにオーバーホールの料金表などもあればもらっておきましょう。

この最初の仮見積もりやオーバーホールの料金表をもらった時点で、そのお店の料金体系などがわかります。

あるお店が1万円程度からスタートだとしたら、あるお店は2万円以上からという、修理料金にも大きな開きがあることが良くあります。

アンティーク時計に関しては、料金が高い安いだけでは職人の技術は判断しづらいところもありますが、自分の持っている時計の価値やどれだけ費用をかけたいのかも個人によって変わってきます。例えば3万円しかしなかった時計に、3万円の修理費用というのは少し払いづらいものです。

 

仮見積もり時点で自分に合う価格帯の修理店に預けるほうが、正式な見積もりの時点になっても自分の希望に合うことが多いようです。

最初に簡単に見てもらっただけの見積もりと、ちゃんと見てもらった後での見積もりは、部品の交換などが必要な場合があって大きく変わることがあるので、価格的に自分の希望にあったお店を探すのも修理店探しの1つの目安です。

また見積もり段階では料金がかからないお店も多いので、絞り込んだいくつかのお店に時計を実際に見せて正式な見積もりを依頼するのも、料金の比較やそのお店が壊れている箇所の特定ができるかどうかなどもわかってお勧めです。(お店に送る場合は送料などはかかります)

 

 

 


■ 修理を断られるケース


アンティーク時計であっても、ちゃんと動いていたものが動かなくなった場合は、ほとんど断られることはありません。

その理由は簡単で、ちゃんと動いていたものであれば、部品も揃っているはずで部品の状態も良いはずだからで、オーバーホールやちょっとした修理で元に戻るはずだからです。

 

それに比べて良く断られることがあるのが、「最初から動いていない・錆びている時計の修理」です。

オークションなどで手に入れたジャンク品など、元から動いていない場合、時計を開けてみると部品が無かったり元に戻せないほど傷んでいたり、元に戻すにはかなりの時間がかかる場合があります。

こうなると修理をする側にとっても、「部品の代替品はある?作れる?時間はどれだけかかる?修理中にさらに壊れることは?」とそろばんをはじかなければならないわけです。

10万円・20万円かかっても良い、1年でも2年でも待ちますから修理してください・・・であれば、時間やリスクに見合う・趣味の延長として仕事を受けてもらえることもありますが、通常はそんな金額を提示すればお客さんも納得しないわけですし、仕事としては断ってしまったほうが良いということになるわけです。

部品の代替品が見つかりそうに無い、作るにしても元の型が無いので難しい、となれば、これもいくらお金をもらっても断る以外は無いわけです。

イメージ/壊れたバランス

お店によって、ウチはオーバーホールしかできない・代替品探しはしていない・部品の制作はしていない、といったお店の得手・不得手というのもあります。

何をするにしても、余分なことをするのは時間がかかるものです。時間がかかる=料金ですので、その点も考慮してあげて依頼すると手間をかけてもらえることはあります。

 

 

 


■ 使っている時計に修理が必要になるケース・症状


【 風防の割れ 】

時計を落としたり何かにぶつけたりして、風防が割れてしまうことはよくあることです。

風防の交換自体は決して難しいことでもなければ、料金が高くなることも普通はありません。

アンティーク時計で利用されているのは、プラスチックの風防もしくは普通のガラス風防になります。

風防にヒビが入ったり割れてしまった場合は、なるべく早く交換・修理してあげるようにしてください。

 

レクタンギュラー・タンク・楕円形などの特殊な形は、ガラスの切り出しが必要になる場合があります。

修理をするお店によっては、特殊な形の風防は制作できない場合がありますので、前もって尋ねておきましょう。

アンティーク時計にサファイアガラスを付けたいという方も時々いますが、アンティーク時計のケース自体にあまり強度が無いことやサファイアガラス自体が非常に厚い・逆にケース自体は薄いため、取り付けることは難しくなっています。

 

『プラスチック風防』と聞くとあまり良いイメージを持たない方が多いようですが、実はアンティーク時計で多く愛用されているのがプラスチック風防でもあります。

理由はいくつかあって、風防が割れた際に時計をあまり傷めないのがプラスチック風防で、割れてしまった場合でも破片が機械に入ることもほとんどなく、またちょっとした傷なら研磨剤で磨くだけできれいになるのでガラス風防よりも好む人が多いようです。

またちょっとしたくもり・擦り傷などで良い色合いになるので、アンティーク時計の雰囲気にも良く合うというのも理由のようです。

風防の交換は料金自体は数千円程度。特殊な形の風防でも1万円を超えることはありません。

 

 

【 ケース・外装の破損 】

時計を使っていると、落としてしまったりぶつけてしまったりして、ケースやベルトに傷が付いてしまうこともあります。

ケースなどの外装の傷を修理する場合、通常はケースに研磨をかけることで傷を取ります。

ただ研磨を行うということは、あまり深い傷の場合はその分ケース自体も余分に削らなければなりません。

軽い傷の場合は研磨で簡単に修理できますが、あまりに深い傷の場合は、表面の引っかかる部分のバリ取りだけ行ってもらって、残ってしまった傷は、これもこの時計の味だと思って使っていただくことをお勧めします。

アンティーク時計の場合は、現代のステンレスケースなどに比べるとケース自体が薄いことも多いため、深めの傷ができて修理をする場合は、どの程度傷を消したいのか最初に伝えておくことをお勧めします。

料金自体はお店によりますが、難しくない・浅めの傷であれば数千円程度でしょう。

 

 

【 時間の誤差 】

使っていて時間が遅くなったり早くなったりするのは、オーバーホールが必要な頃であったり磁気を帯びてしまっているケースです。

「今まで使っていて問題が無かった」場合に限っては、修理というよりもオーバーホールだけで簡単に直ります。

信用のあるお店であれば、どこに出しても問題なく修理されて戻ってきます。

料金は通常はオーバーホール料金や消耗品などの交換費用のみです。通常はお店の料金表にある通りで、大きな部品の交換などが無い限りはあまり誤差は出ないものです。

手に入れたばかりの時計で誤差が出るのは、オーバーホール以外にも修理が必要な場合がありますので、修理・見積もりに出してみないとどこが悪いのかはわかりません。

 

 

イメージ/傷んだ文字盤と針

【 文字盤の傷み・破損 】

アンティーク時計の場合は、文字盤の変色や錆び・ひび割れがある場合があります。

これらの症状は、基本的には現代に近い時計の場合でメーカー修理を利用する以外は、完全な状態・オリジナルに戻すことはできません。

同系の時計から状態の良い文字盤を移植するか、問題のある文字盤を復元する作業が必要になります。

復元に関しては金属でできている文字盤は復元できますが、陶製の文字盤のひび割れは元に戻すことができません。

 

修理を依頼されるお店によっては、部品が調達できない・復元を行っていないお店もありますので、修理を依頼する際に尋ねてみてください。

修理にかかる費用は、お店や時計によってバラバラで、1万円~数万円とかなり幅に開きがあります。

 

 

【 針の傷み・破損 】

アンティーク時計の場合は、針も特殊なことが多く、破損したり紛失すると替えの効かないことが良くあります。

修理を依頼するお店によっては、古い同系の針を探してくれることもありますが、メーカーや年代によっては同じものが手に入らないこともあります。

修理にかかる費用もバラバラで、代替品が手に入る場合は数千円程度です。

 

 

【 リューズの傷み 】

アンティークの手巻き時計を使っていると、何年・何十年と経つといつかは磨耗するのがリューズです。

リューズの頭自体を取り替えることはそれほど難しいことではなく、腕時計の場合で汎用リューズであれば比較的安く交換することができます。

汎用品が使える場合なら、料金自体は数千円程度です。

メーカーのマークが入ったリューズを付けたい場合は、アンティークものの場合は古いリューズを手に入れるしかなく、大手メーカーで現在の純正品が使える場合のみ、その実費が必要になります。

アンティークの懐中時計は汎用品がありませんので、古い部品から移植することになります。

 

 

 


■ 動いていない時計・使っていない時計に修理が必要になるケース・症状


動かない時計を手に入れたり、手に入れたばかりの時計が動かないのは深刻な問題がある場合があります。

安いからといって動かない時計を手に入れて修理しようとすると、ちゃんとお店で調整して売られている時計を買うほうが安くつくばかりか、修理をしても動かない・修理すらできないことも多々あります。

 

【 部品の欠損 】

本当にそのままですが、部品が欠損していて動かないケースです。

こうなるとアンティーク時計の場合は、部品を作る・同系の同じ時計から移植するのどちらかしか手がありません。

時計店に持ち込んで「修理ができない」といわれることの多い症状の1つで、一般の時計店・修理店や「部品を作る」という仕事をしていないお店の場合は、修理を断られるというよりも修理ができません。

もし部品の欠損が理由で修理を断られた場合は、次に修理店を探す場合は、「同系の部品が手に入るか」「部品を作る仕事をしているか」をみて修理店を探すことになります。

部品を作る場合は、部品にもよりますが料金は高くなります。部品を探す場合は、メーカー・機械などが大手・一般的な場合は見つかりやすいのですが、特殊なメーカー・機械の場合は、交換する部品が見つからないことも良くあります。

欠損部品が多すぎれば高くなるのはもちろんですし、修理できない・断られることも多々あります。

 

 

イメージ/錆びた針

【 内部の錆び 】

時計によっては内部・部品が錆びている場合があります。

これも修理を断られることの多い理由の1つで、錆びの度合いによって、動く状態に戻すことが難しいケースがあります。

例えば、ケースや機械の地板や受け部分のような大きな部品の表面だけが錆びているなら比較的簡単に錆びを落とすことができますが、内部の歯車・テンプなど細かな部品まで錆びきってしまっている場合は、その部品の錆びを落とすことができない・錆びを落とすと部品自体が無くなってしまう・錆びを落としても正常に機能しないため、状態的には「部品の欠損」と同じになります。

安いからといって動かない時計を手に入れると、錆びきっていて動かす状態にすることすらできないこともあります。

また、錆びきってしまっている場合は、修理をする側にとっても時間がかかりすぎる・破損するリスクも大きいため断られる原因にもなります。

 

 

 


■ 時計の修理が終わったら


時計の修理をしてもらった結果が良かった場合・満足した場合は、その時計店・職人との連絡方法をしっかりとメモしておきましょう。

アンティーク時計や機械式時計は数年に一度オーバーホールが必要になります。

お店や職人もピンから桐まで。良いお店や職人とは長いお付き合いをしたいもの。できるだけ連絡方法を控えて次のオーバーホール・修理の際にもお願いできるようにしておきましょう。

 

 

 

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イメージ/日本アンティーク時計協会

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